我が家へ来る来る
軒先軒先。

平日タイプの始動は月曜日。
このあいだ、日頃の暇さを聞いていた。
何曜日なら皆都合がいい?ときいて
それならと、
今日に至った。
ここで何か起こればいい。

さて、何が起こったか
毎度記憶というものの曖昧さ
はかなさを身をもって感じるのですが、
手掛かりを大きな袋の中の中、腕と指先で探れども
行き当たらない気配
それならもう少し先を探って、。

ミコテンハルカシー
13時からという試みは
ランチボックス分、身軽になって
午後に突撃する。

ソファもしくは畳の上に収まり
何を始めようか
何が始まろうかという時間
恒例の何もしない踊る無策。
そうすると、暇だーとか
面白くない!というような言葉が
例えばテンの口から飛んだりする。
そうすると、僕の心はおっとあぶない
このままではダメだぞというひそかなザワつき。
そりゃ好かれたいですから
楽しくなさを堂々と突きつけるには気が小さいのです。
かと言って、工夫するとか準備するとか
ものごとにうまく働きかけるような
そういう能力に欠けるのです。
あーまずいなーという心地をひとまず抱えて
それでいてどう転ぶかは分からないというつもりなのです。

家の中を見限ったわけではないが、
一行は出掛けることにした。
小道を通って、行き当たる先は
学校であり、ハルマコの近く。
校舎を回りこんで外トイレを利用する。
ほいほい、スリッパを履きなさいと言うのに
下足で侵入する男子。
続けざま、それを見習って女子。
ツバキの花を取って、花びらで好き、きらい。
随分きらわれた気がする。
非常階段を上がって、講堂を外から覗く。
布団がいっぱいある。
階段をおりる。
トイレから出たハルカが望み、
もう一度上る。おりる。
持っててと数輪の花を渡される。
フェンス越しに摘み取る椿。

さあ僕もトイレ。
下足は駄目だよ、こないだ大掃除したんだから。
と床拭きする。
皆は行ってしまった。
ハルマコ家に遊びに行こうか。
今日はやめとこう、たぶん学校だしね。
来た道を戻る。

古い一本立ちの電柱を見て、登ろう!と
いきり立つテン、シーも続く。
ミコがなだめる。やめときな、危ないよ。
そうだね、そうしとこう。
こういう奮発した意欲の大事さに
どう応えるのか。
姉の器量に助けられた。

ゆずの木を見て、
ゆずはちみつの名前が呼ばれる。
うちにはちみつあるよ、そうすると
キッチン隊が動きだす。
さあその辺のボウルを拾って、
ゆずを摘むんだ。さあ、ここと
ここも取れる。
鋭い針をくぐり抜けて、ボウル一盛り
これぐらいでいいだろう。
さあ、台所。
ほら、俺が切るから、とテン。
絞ります。
どれぐらい要るんだ。
火にかけるんだよな。
それではちみつをとかして、
各員の記憶レシピが交錯する。
ひとしきり定まった方法に向けて
ガスコンロに向けて
鍋が動く。
酸っぱいぞーと声が飛ぶ。
それではちみつはどれくらい入れるの。
アルゼンチン産だよ。
これくらい、いやもっと
酸っぱいぞ。
容器をぐっと掴み、
贅沢にすらすら流れ込むミツ。
沸かしすぎず、手前で止めて
よし、じゃあ酸っぱかったら
各自はちみつ足す作戦で。
コップは足りるか、
鍋からざっくりミコが注ぐ。
大小の器に、合間のステンレスに
甘酸っぱい湯気が来る。
ほら行こう。

居間に行くからお盆を持って、
机をかこんで舌鼓。

酸っぱい!

セルフですよ。
一本しかない小さなスプーンを
取り合うように溶かす。
美味しいね。
確かに美味しい
クッと効く感じ。
はあー、あったかい飲み物を
皆でつくって飲むというのはいいもんだ。

そのうちシーがハチミツを手にたらして、
純粋に甘みを追おうとしている。
あーっむと舐めとって、ご満悦だ。
誰かもそれなら俺もと
たらー、あーっむ。

プーさんが数人いる。

あんなべとべとそうなのに
そのままぺろぺろで手も洗わないでいいなんて、
プーさんすごい。

畳の上の長机の上に
大きめのだいぶ大きめの紙を広げる。
A2かB2くらいあるんじゃないか
しまわれてた紙包みにたっぷりある。
皆さんどうぞどうぞ
そしたら
もう場所とって場所とって、各自のスペースかさなり合う
かさなり合う。
俺のかくとこ、この間の
この小さなとこしかないじゃないか。
ポケットティッシュぐらいだよ。面積。
でもまあいいけどさ。
僕が変なおじさんを描くと、その上から
傷やら眼帯やら、ぐちゃぐちゃとか
寄せ書きタイムはげしい。
ミコはでかい紙をさらに繋げて
ほぼもう等身大じゃないかという
女子を描く。
眼がきっちり輝いてる。
仕上がりが滑らか、かわいいとの声。

そしたらうしろの縁側のとこに
いきなりハルさんドーン!
へ?今日は学校、そうか帰ってくる時間か
帰ってきて走ってきたのか
いそがしさを肩に背負って、そのまま一本背負いで
ぶんと投げ飛ばすようなエネルギーを
せききってすべり込むハルに見る。

間に合ったね。いらっしゃい。
そこから30分あまり、皆は4時半にかえるから、
いっとき居間で過ごして
それで迎えが来て、みなを送り出して
気がついたら
彼女は帰ってた。
まるで嵐のように矢のように
やって来て去って行った。
そういう風なフィニッシュ。

ハルカの迎えは来ない。
来ないねーとかいいながら、
順調に延長戦。
ipadから音楽鳴らしてーの、ダンス
maroon5 の sugarや
daft punk の luckyを選ぶ。
イントロ聴きながら順々に流して、
これだ、というやつで踊る。
何曲踊ったろう、次は
まあ、お話し。
家に居ると、YouTubeばっかり見ちゃうから
と、踊るの必要性を説かれる。
それはもう有り難い。こんな所でよければ、
またきんさい。