やって来る気配
車の音
声と擦りガラスの赤
セーターを着たヒロトが言う。
こんにちはー

あけまして引き戸、
鍋がカゴに入ってる。

ジブリの楽譜本とノートを長机に置く。
キーボードの上の衣服をどける。
うちでも寝巻きを置いちゃうとヒロト。
おもむろに海の見える街。

左手と右手を使って
あちこちの鍵盤を黒とか白とか押している流れが
まるでランダムじゃないかという五月雨に見えるのに
なんと心地いいこれを曲というのか。
この不思議は眺めるほどに
複雑さを掛け合わせた先の織物で
そうかかれこれ研ぎ澄まされた準備と
入念な運びで、ようやくそれは
一聴に平たく、連続する響きになる。

からみもほどけもしない
充実した布が、手先から
その瞬間瞬間に編まれ
繋がっていくことを
その技術を
想像して
真似て指を動かしてみる。

その音と音
聞いていた耳を
聞いている耳を
手と手につなげて
それでも、てんで詰まって
散らばって、これは旨くないと思う。

そのできあがりだけなぞっても
たどり着けない所から音楽が来る。
面白いことだ。



ポケモンはずい分進んで、
でも卵作業は継続なのだと言う。
なんといくつ割ってきたのかい、この1か月。
挑戦の歴史と積み重なる良質なモンスターが
画面に整列している。
ほとんどやりきったが、それでもまだ、
やり続けられるというのは
湧く意思のあらわれか。その源泉は
めくるめくポケットモンスター、と
しかし、順調に次の一手は打たれている。

明日は何の日だと思う。
そうさ、サンタのクリのスマスです。
そうです。なんと絶妙なタイミングで
バトンタッチのように
ポケットモンスターがドラゴンクエストにハイタッチしようとしています。
そうリクエストしたわけです。
当人ヒロト氏が。それでもう一部の隙もなく
接木のように新しい物語が始まろうとしているのです。
なんということでしょう。
その前説というのか、前菜というのか
直前の箸休めにわざわざご足労願っているようなもので、
前もこんなことがあったような、
もう源泉はボコボコ溢れんばかりでしょう。

そんなこんなで、でものんびりしています。
英語のレポートもないし、年明けの試験があるとかで
試験勉強どうしてたみたいな話をして、
ほとんど光の彼方に飛んでったような記憶を引っ張り出して
何してたんだろうと、おぼろげな答え。


ランチタイムは豪勢なんです。
シチュー( 手羽元を含む ) が鍋に入ってる。
前日のイベントにも出品していたという
サンドイッチ。しかもチキンカツとポテトサラダが入ってて、
しかもそれが1人2切れずつくらいある。
タッパーにみっちり、これ1人分、いいの?
わお。わお。
わお。
Woh.
そのイベントにも感謝しながら
ヒロトと腹一杯になるまで食う。

横になる。
あー、これをしあわせと呼ぶ。
そうだ、マヨネーズ付きのブロッコリーもあったんだ
最高だ。


何かやり残したことある?と聞くと
いや、のんびりしてるのがいい。
とヒロトは言う。

今日という中身は
そういう風に流れる。